2012年5月 ~300年前の大噴火~

「怒る富士(上・下)」(新田次郎著)を読んだ。江戸時代宝永4年(1707)に起きた富 士山大噴火を舞台にした歴史小説である。今から305年前富士山が最後の大噴火(620年ぶり)を起こしている。この噴火で大被害を受けた駿東郡59ヶ村 は、小田原藩十万石から藩での復興は不可能として「返地」として幕府に返却された。幕府は復興を諦めた「亡所」とし、住民は「棄民」として見捨てられるこ とになった。隣の足柄上・足柄下郡も同時に幕府に返却されるが、復興可能として、関東郡代伊奈半左衛門忠順を派遣し、酒匂川の砂除川浚(すなよけかわさら い)奉行に任命し河川改修をすすめる。

作者の新田次郎(本名藤原寛人)は、気象台勤務時に昭和7年から12年まで毎年3~4ヶ月の富士山頂観測所交代勤務員を経験している。この時登山口の御殿 場の人が強力(ごうりき)として協力した。この人達から駿東郡59ヶ村を飢餓から救った「伊奈半左衛門」のことを聞き、後年小説家となってから「怒る富 士」を書いた。(昭和47年~48年静岡新聞他連載)

昨年の東日本大震災を経験してみると、300年前の物語が強いリアリティを持っていることに驚く。元禄バブルがはじけた五代将軍綱吉の末期、側用人柳沢吉 保が活躍していた頃である。未曾有の大災害をよそに権力闘争を続ける幕閣の姿、米の石高中心の経済から貨幣経済へ、武士の時代から商人の時代への大転換 機、大災害の復旧復興と社会・経済・政治の大転換が、東日本大震災後の現在の姿と大きく重なってみえる。東日本大震災後の復興を考える上で一読の価値ある書と思った。

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